コラム
Column

PMS

2021.1.22

<PMSとは>PMS(月経前症候群)とは、Premenstual Syndrome のことです。月経前、3~10日の間続く身体的あるいは精神的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失することが特徴です。

<PMDD>特に、精神的症状が強い場合を月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder)と言います

<症状>身体的不調は、腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張り、身体のだるさ、肩こり、肌荒れ、体重増加など

精神的不調は、情緒不安定、イライラ、うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、のぼせ、食欲不振・過食、めまい、些細なことで泣いてしまう・八つ当たり、攻撃的になるなど

<なぜPMSって起こるの?> ホルモンバランスの急激な変動によると考えられています。排卵が起こるとプロゲステロンというホルモンが優位になります。プロゲステロンは妊娠初期妊娠維持のために必要なホルモンですが、便秘やむくみや肌荒れを起こす原因にもなります。むくみは足だけではなく、乳房、頭、お腹などにも生じるため、乳房の張り、頭痛、腹痛、お腹の張りとして現れます。セロトニンというホルモンの変動も生じるため、精神的な症状、不安、うつ、イライラなどが引き起こされます。

<対処法> いくつかありますが、最近は1相性の低容量ピル(OC、LEP)を処方してコントロールできている方が増えています。低用量ピルは排卵を止めることができるので、プロゲステロンの急激な変動を起こすこともなくなります。マーベロン、ファボワール、ヤスミン、ヤーズ、ヤーズフレックス、ジェミーナから選んでおります。同じ1相性でも製剤に含まれるプロゲステロン誘導体の種類が異なりますので、患者さんの症状をお聞きして、どういう症状が一番辛いか、診察・相談して処方します。1相性の中でも特徴的なのは、ヤーズフレックスとジェミーナの連続投与方法です。どちらも月経の回数を減らせるので、PMSの頻度も減らすことができます。

ピル以外の薬ですと漢方薬、漢方薬も数種類あります(五苓散、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散、加味逍遙散、桃核承気湯、温経湯、半夏厚朴湯など)ので、その方に合うものを処方します。症状に応じて途中で変えることもあります。ピルと漢方薬と2種類飲む方もいらっしゃいます。漢方薬以外では、鎮痛剤、精神安定剤、抗不安薬を使用することもあります。

PMS対処法、日常生活ですと、適度な運動で血流をよくする、入浴時間をしっかり取りリラックスする、寝る前にカフェインは控える、禁煙をする、なども有用です。

 

※水曜日は18時終了
※不定休ですので、ご来院前にご確認ください。

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